インプラント材料の耐食性
実験目的
この実験は、模擬体液中で2つの金属インプラントの耐食性を測定することを目的としています。金属インプラントは、表面処理(黒色と赤色)後にワイヤーで織られたメッシュディスクです。
準備
参照電極:SCE
対極:Pt電極
作用電極:金属メッシュディスク(黒色と赤色)
溶液:模擬体液(SBF)(pH=7.4)
手順:
対極、参照電極、塩橋、排気管を500mLの電解セルに挿入し、セルに350mLの模擬生理食塩水を入れ、電解セルを37℃の恒温水槽に入れます。30分間、模擬体液にN2をパージし、空気の出口を密閉して酸素の再侵入を防ぎます。
結果と分析
CS350M電気化学ワークステーションの電源を入れ、CS Studioソフトウェアを起動し、開放電位(OCP)を監視します。OCPが安定したら、分極曲線(パッシベーションカーブ)の測定を開始できます。-0.1Vから1V(vs. OCP)まで掃引します。アノード電流が100mA/cm2を超えると、電位の掃引は反転します。パラメータの設定は図1に示されており、結果は図2に示されています。
図1. パラメータ設定ウィンドウ
図2. 2つの試料の分極曲線
(赤/黒の曲線は、対応する赤/黒の試料を表します)
赤色の曲線では、破壊電位は0.14754 V、OCPは-0.00734 Vです。黒色試料の破壊電位は0.24004 V、OCPは-0.00222 Vです。これは、黒色試料の方が孔食抵抗性が優れていることを示唆しています。しかし、フライバック中のヒステリシスループの面積は赤色試料の方が小さく、これは赤色試料が不動態皮膜破壊後、迅速に修復できること、つまり自己修復能力がより高いことを示しています。