鋼材中の水素透過試験
本実験は、鋼材中の原子状水素含有量とその拡散速度を測定することを目的とする。
図1 水素透過試験セットアップ
ニッケルめっき液(市販のニッケルめっき液)
アノードチャンバー:0.2mol/L KOH
カソードチャンバー:0.1mol/L HCl
ニッケルめっきセル(コーティング評価セル)*1個
Hセル* 1セット
Hg/HgO参照電極 1個
Q235炭素鋼板(5cm*5cm*0.5 mm)1個
白金対電極 *2個
。
実験前に、炭素鋼試料を180#、400#、600#、1000#、2000#のサンドペーパーで順に鏡面研磨し、水で洗浄し、エタノールで拭き、冷風乾燥させた。試料を0.1 mol/L HClに3分間浸漬し、水でリンスし、次に0.2 mol/L KOHに3分間浸漬し、水でリンスし、乾燥させてデシケーターに入れて使用した。
図2 ニッケルめっきの電気化学セルと電極接続
図2に示すように、コーティング評価セル(CS934)を使用してニッケルめっきを行った。炭素鋼板をクランプし、ニッケルめっき液をセルに加え、ニッケルフォームの小片を溶液に入れた。赤(CE)と黄色のワニ口クリップ(RE)でニッケルフォームストリップを共同でクランプし、緑色のワニ口クリップ(WE)を炭素鋼にクランプした(白いリード線がある場合は、緑色のWEと一緒に接続する必要がある)。次に、「定電流」試験を実施した。
図3 ニッケルめっきのパラメータ設定
印加電流を-10 mA/cm2に設定する。試料の露出面積は約7.065cmcmなので、-70.65 mAを印加した。「セル設定」で電極面積を設定できます)。
図4 電極面積修正インターフェース
めっきプロセスは30分間続いた。完了後、蒸留水で金属を洗浄し、冷風乾燥させてから、デシケーターに入れて使用した。
図5. バイポテンショスタットCS2350MとHセル
アノードチャンバー(左セル)では、3電極系:
- 作用電極:炭素鋼のニッケルめっき表面
- 参照電極:Hg/HgO電極
- 対電極:白金電極
水素チャージ側(右セル)は2電極系を採用している。
- アノード:炭素鋼のニッケルめっきされていない表面、WEワニ口クリップに接続
- カソード:白金電極、黄色(RE)と赤(CE)のワニ口クリップに接続
まず、アノードチャンバー(左)に250 mLの0.2 mol/L KOH溶液を加え、カソードチャンバー(右セル)に250mlの0.1 mol/L HClを加え、バイポテンショスタットをオンにし、「バイポテンショスタット」→水素拡散試験を選択する。
図6. 水素拡散試験のパラメータ設定
図6のようにパラメータを設定する:分極電位は0.45 V、水素チャージピーク電流は-22.6 mA(10 mA/cm2)、水素チャージ谷電流は0。
炭素鋼中の原子状水素[H]が徐々に表面に拡散してH+に酸化されるにつれて、アノード残留電流は徐々に安定する。
残留電流が1 mA/cm未満の場合cm、右セル(水素チャージ)で次の反応が起こります。
図7. 水素拡散試験における酸化電流-時間曲線
図7から、Imax=1.0058×10-5 A·cm-2を得ることができる。I水素チャージ開始時間は5472 s,したがって遅延時間 / Imax= 0. 63,
t = 2.380 h = 8568 s
となる時間tを求める。水素チャージ開始時間は5472 s,したがって遅延時間tL
=3096 s,炭素鋼の厚さL=0.1cm、以下の式に従って:拡散係数D=5.383×10-7cm2